
一般内科
一般内科
日本人の約1/3は頭痛持ちだといわれています。頭痛は多くの方が経験していますが、日常生活に支障をきたすつらい症状になることもあります。その痛みを周囲に理解してもらえず、悩んでいる人は少なくありません。
一次性頭痛
頭痛が持病の「頭痛もちの頭痛」
脳や体に病気がないのに、繰り返し起こる頭痛で、慢性頭痛、習慣性頭痛ともいわれます。
片頭痛と緊張型頭痛と群発頭痛が主な一次性頭痛です。
二次性頭痛
脳や体に病気があって起こる頭痛
くも膜下出血や脳腫瘍、髄膜炎など脳の病気による頭痛です。「これまでに経験のない激しい突然の頭痛」はくも膜下出血の可能性があります。「熱があって食事が摂れない激しい頭痛」は髄膜炎を疑います。すぐに医療機関を受診してください。
自分自身の体と周囲の空間との相互関係・位置関係が乱れていると感じて、不快感を伴ったときに生じる症状と定義されています。
良性発作性頭位めまい症、メニエール病、前庭神経炎などの内耳性めまいが最も多くみられますが、中には脳梗塞、脳出血といった脳卒中や、脳腫瘍などの脳の病気が原因のこともあります。
めまいの症状は、自分自身や周囲がグルグル回って見える「回転性めまい」、身体がフワフワした感じでふらつく、まっすぐ歩けず姿勢が保つのが難しい「浮動性めまい」、立ち上がったときに急にくらっとしたり、ひどいときには意識を失ったりする「立ち眩みのようなめまい」の3つに大きく分けられます。また、不整脈や起立性調節障害、頚性めまい、心因性めまいなどもめまいの原因となります。慢性的に持続するめまいには漢方薬が有効なこともあります。
体温が37.5℃以上を呈した状態をいい、高熱とは体温が38.0℃以上を呈した状態、と日本の感染症法で定められています。細菌やウイルスなどの「抗原」を体内で感知すると、白血球が「サイトカイン」という物質を大量に産生し、サイトカインはさらに「プロスタグランジン」という物質を体内で作らせます。プロスタグランジンは脳内の体温調節中枢を刺激して、身体の設定温度を上げます。これが一般的な発熱の仕組みです。
発熱すると、身体は寒い環境の中にいるような反応を起こします。これが寒気であったり震えであったりという症状になります。発熱やそれに伴う症状は不快なものですが、細菌やウイルスの増殖を抑えたり、白血球が活性化して免疫力を上げたりするメリットがあるため、身体に備わった防御システムであるとも言えます。
最も多いのは、細菌やウイルスによる感染症です。例えば、コロナウイルスやインフルエンザウイルスのように飛沫感染するようなものは、飛沫を吸い込むところ、すなわち鼻やのど、肺などに炎症が起きやすいため、鼻水や咳、のどの痛み、肺炎などの症状を起こしやすくなります。
ノロウイルスは口から腸に入ってきますので、吐き気や下痢などの胃腸の症状が中心になります。細菌が膀胱から遡ってきて腎臓に到達すると腎盂腎炎となって背中や腰が痛くなったりします。水痘ウイルスのように皮膚を好むウイルスは、水疱瘡や帯状疱疹として皮膚に異常が見られます。
がん細胞自身が熱を発生させる物質を産生することがあり、「腫瘍熱」と呼ばれる発熱が起こることがあります。
感染症による発熱は感染症が鎮まれば自然と治まっていきますが、腫瘍熱は原因が除去できなければ継続し続けることが多いです。このため、熱の経過(何日出ているか、いつから出ているか)が見分ける上で重要になります。
風邪は、正式には「風邪症候群」とよばれる病気で、自然に治癒する鼻やのど(上気道)におきる急性の炎症です。上気道とは喉と鼻、肺の手前にある気管支といった空気の通り道のことを指します。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、のどの痛み、咳、たん、発熱などの症状がみられます。小児から老人まで、幅広くかかる一般的な病気です。
主な原因はウイルス感染であるため、基本的には安静を保つことで自然回復する病気です。ウイルスに対する特効薬は存在しないため、解熱鎮痛剤や去痰剤など症状にあわせて対症療法を行うことが治療の基本となります。
風邪の原因は、80%~90%以上がウイルス感染です。残りは細菌、マイコプラズマ、クラミジアなどウイルス以外による感染です。コロナウイルスやRSウイルス、アデノウイルス、ライノウイルスなど、風邪を起こすウイルスは200種類以上あると言われており、原因を特定することは困難です。また同じウイルスでもいくつもの型があり、それが年々変異します。
このため、一度感染したウイルスに対抗する免疫ができたとしても、次々に新しいウイルスに感染するため、繰り返し風邪をひいてしまいます。
形のない軟便や液状の水様便が出る状態で、3週間以上続く場合は慢性下痢とされます。腸には1日9リットルの水分が送り込まれていますが、便として排出される水分は1%程度であり、残りの99%は吸収されています。便の水分量は、正常な場合が60~70%、軟便が80~90%、水様便が90%以上とされています。
暴飲暴食、刺激が強い香辛料の過剰摂取など、日常的な原因によって起こることも多いのですが、感染やストレス、様々な大腸疾患でも症状として下痢を起こすことがあります。
腹痛は、冷えなどでも日常的に起こりますが、疾患が原因になって生じているケースもあります。しかし、なかには単なる腹痛と思っていても早急な治療の必要がある疾患も存在します。下記のような腹痛があった場合にはお早めに当院までご相談ください。また、気になる腹痛もお気軽にご相談ください。
腹痛を起こす日常的な原因では、ストレスや冷えがあり、こうした要因によって腸の機能をコントロールする自律神経がバランスを乱れ、痛みを生じます。特に食事の内容や摂取量、食事の間隔は消化器系に影響を与え、腹痛を引き起こすことがあります。例えば、過度な脂質や辛い食べ物、大量のカフェイン摂取は胃腸を刺激し、腹痛や胃痛を引き起こすことがあります。また、ストレスは胃腸の動きを乱し、過敏性腸症候群(IBS)などの症状を引き起こすことが知られています。
腹痛の原因として、さまざまな病気や感染症が考えられます。胃腸炎、胃潰瘍、胆石症、腸閉塞などの消化器系の疾患は、腹痛の主な原因となります。また、尿路感染症や腎盂腎炎などの泌尿器系の疾患、婦人科系の疾患も腹痛を引き起こすことがあります。特に、急性の腹痛が生じた場合、重篤な疾患の可能性もあるため、早急な診察や治療が必要となることがあります。
悪心とは、嘔吐の前に起こるむかつき(吐き気)のことをいいます。嘔吐とは、胃の中にあるものを吐き出すことをいいます。これらは同時に起こることもありますし、悪心のみ、または嘔吐のみがみられることもあります。
悪心・嘔吐が同時に出るか、またはいずれかのみの症状が現れるかによって、原因と考えられる病気が異なります。嘔吐には中枢性(ちゅうすうせい)嘔吐と末梢性(末梢性)嘔吐の2種類があります。
脳内にある嘔吐中枢が刺激を受けることによって起こる嘔吐であり、くも膜下出血・脳出血、脳腫瘍、髄膜炎などの脳の病気によって脳圧が高くなったとき、メニエール病や乗り物酔いなど内耳に刺激を受けた場合、抗がん剤やアルコールなどの薬の影響、ホルモン・電解質の異常、腎臓病などで起こります。
消化器疾患(急性胃腸炎や胃・十二指腸潰瘍、腸閉塞など)や肝臓・胆のうの病気(胆のう炎・胆管炎、胆石、急性膵炎など)、または腎臓(慢性腎臓病、腎盂腎炎など)や生殖器(婦人科系・泌尿器系)の病気の時に見られる嘔吐です。内臓からの反射により嘔吐が現れます。心筋梗塞のときに見られる悪心・嘔吐も反射性嘔吐の一つです。
膀胱と尿道(男性の場合は前立腺を含む)、および尿道括約筋で構成される下部尿路には、尿を貯める機能(蓄尿機能)と尿を排出する機能(排尿機能)があります。これらの機能が障害された状態を排尿障害といいます。正常な排尿とは、「尿意が生じてから我慢ができ、速やかに排尿が始まり、途切れず進行し、膀胱に貯まっていた尿が完全に排泄されている」という状態です。この一連の過程が乱れてしまうことによってさまざまな症状が引き起こされます。
便通異常とは便秘をはじめ、慢性的な下痢あるいは便秘と下痢を繰り返す、お腹が張る、腹痛がある、便は出るがすっきりしない、残便感があるなど様々な症状があります。症状も多種多様ですが、病気も多種多様あり、症状の経過が長い方は大腸カメラなどの検査をお勧めします。腸炎の場合も様々な原因があり、病原性の細菌やウイルスの他に、近年炎症性腸疾患(IBD)である潰瘍性大腸炎やクローン病(指定難病)といった原因不明の腸炎が増えております。他に女性では便が出しづらい・残便感、便秘薬を増量してもスッキリ出ないといった症状が出産後や加齢とともに発症する方がおられます。この場合、深い部位での肛門括約筋不全、直腸重積、直腸瘤、骨盤臓器脱などの可能性があります。
睡眠障害とは睡眠に何らかの問題がある状態をいい、最も多いとされているのが不眠症です。入眠障害(なかなか寝付けず、入眠に30分以上を要する)、中途覚醒(寝ついても夜間に2回以上目が覚めてしまい、その後寝付けない)、早朝覚醒(朝はやく目が覚めてしまう)、熟睡障害(朝起きた時に疲れが残っていたり、ぐっすり眠った感じがない)により、必要な睡眠時間が十分に取れず、睡眠の質が低下することで日中の眠気や疲労、頭重感、めまい、肩こり、集中力の低下、不調、気分変調などが起こります。睡眠障害の治療では、生活習慣や睡眠環境を整えることが大切です。起床・就寝時刻を一定にして生活リズムを整えます。日中は適度に活動的に過ごし、寝る前のカフェイン、喫煙、アルコールは控えます。ぬるめのお風呂で身体を温めることも効果的です。就寝する部屋は快適な温度と湿度を保ち、できるだけ外の音は遮断して照明も適度に暗くしましょう。生活習慣や環境を整えても改善しない場合には睡眠薬などの薬物治療が検討されます。
不眠症はさまざまな原因によっておこります。就寝・起床時刻が不規則で一定しない、深夜に運動をする、夜にカフェイン入り飲みものを飲むなどの習慣は不眠症の原因になります。現代は24時間社会といわれるほどで昼夜の区別がなくなって生活のリズムが乱れがちです。交替制勤務などによって体内リズムが乱れると不眠を招きます。
ストレスに関連して生じる不眠です。学校や職場での問題、夫婦の問題、大切な人との別れなど。眠れなくなった時期に起きた出来事を詳しく調べていくことで明らかとなってくることがあります。
うつ病などの気分障害、適応障害、不安障害、物質乱用などさまざまな心の病気も不眠の原因になります。単なる睡眠剤の服用では改善が見込めません。したがって、不眠が主な悩みであっても、それが他の心の病気の症状として表れているのかどうか診断することがとても大切です。
服用している薬やアルコール、カフェイン、ニコチンなどが原因となる不眠です。薬剤の服用歴や栄養剤の多飲、飲酒歴などの生活習慣を確認していくことが大切です。薬物としてはステロイド剤、パーキンソン病薬、抗がん剤などが原因となることがあります。
海外旅行や出張による時差ボケ、夜勤・受験勉強などによる昼夜逆転など、ライフスタイルの変化に伴う不眠です。
睡眠障害はストレスや心の病気だけではなく、飲酒やライフスタイルの変化、薬剤、からだの病気など様々な原因があります。当院の睡眠外来では、様々な視点から時間をかけて問診することで、お一人お一人の生活状況を確認し、患者さんにとって最善の治療をご提供できるよう努めます。薬物治療に抵抗をおもちの方は、漢方を用いた治療や環境改善のためのアドバイス、休職や職場に配慮を求めるための診断書作成、生活面への助言など行います。また、薬物治療を行う場合においても、依存してしまいやすい睡眠剤については、原則処方しない方針です。近年では極めて依存性が少ない薬も出てきておりますので、ご相談ください。
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